JCCLS 特定非営利活動法人 日本臨床検査標準協議会  
HOME 活動支援団体について JCCLSとは 事業活動 承認文書 承認過程の事項 関連団体へのリンク  
       
学術集会・セミナー記録    
       
 

臨床検査標準の国際的な動向

 

千葉 光一 (独立行政法人 産業技術総合研究所 計測標準研究部門)

バイオ計測・計量の標準化

計測、分析、計量、検査など我々の生活や活動において誰もが等しく同じ測定結果を得られるようにすること、すなわち標準を行うことは極めて重要かつ本質的な問題である。計測や計量の分野における標準化は18世紀以来、科学技術の進歩と人間活動範囲の広がりとともに進められてきた。現在、長さ、重さ、時間などの計測の基準となる様々な単位は、メートル条約によって7つの基本的なSI単位系(m,kg,s,K,A,cd,mol)を世界中で統一した基準として用いることが定められている。メートル条約のもとには、実質的に様々な量や単位の国際整合性を確立し、測定方法や信頼性に関する国際的な合意を形成するための活動を行う機関として国際度量衡委員会(CIPM)が設置されている。 CIPMには、kg原器を保管し管理している国際度量衡局(BIPM:CIPMの事務局機能を担う)と国際単位と基本的な量の統合を具現化するために10の諮問委員会が設置され、それぞれの分野において計測の国際合性とトレーサビリティを確保するために、国際基準の選定や国際比較などの具体的な活動を行っている(図1参照)。

これまでCIPMの活動は単位や量の国際統一としては長さや重さなどの“物理量”が中心であった。しかしながら、20世紀末になると、経済活動がグローバル化することに伴って、円滑な国際通商の確立、快適な地球環境の保全、安全・健康な生活の確保の観点から、 “物質量?=mol”を基本単位とする化学物質の測定や分析に関する国際的な整合性が強く求められるようになってきた。そこで、CIPMは物質量諮問員会(CCQM)を設置して、物質量(=化学物質)測定における国際整合性の確立やトレーサビリティの確保のために、測定の“目盛”となる無機標準液、有機標準液、純物質、標準ガスなどの整備、あるいは測定法や測定値の評価を行うための組成標準(材料標準物質、環境標準物質など)の整備に関する活動を行っている(図2参照)。

また、最近では、技術開発の著しいバイオサイエンス分野での知的基盤を整備することが強く求められるようになった。そのため、 2001年にはCCQM中にバイオアナリシスワーキンググループ(BAWG)を設置し、バイオサイエンス分野における標準に関する国際的な議論を開始した。BAWGでは遺伝子組み換えに伴うDNA測定、臨床化学、食品安全などを当面の標準整備課題として活動を行っている。 BAWGでは、バイオサイエンス分野において@バイオ産業のインフラとなる計量標準の整備、 A客観的・科学的な安全性評価指針の確立、Bバイオ産業の支援とパブリックアクセプタンスの向上、を第一の目的としてバイオ計測標準を確立し、さらに、その結果として各分野の中においては分析や検査の標準化とそれに伴う波及的効果が生み出されることを期待している。
現在、 BAWGでは具体的な国際比較活動として、PCR法によるDNA定量に関して、11カ国17研究機関が参加して合成プラスミドを定量する国際的な比較実験を行い、DNA定量の標準化を進めている。その結果は現在解析中であるが、今後はさらに、DNA抽出法、MSによるDNAの絶対定量、MSによるタンパク質定量、などの国際比較を計画している。これらの国際比較を通してバイオ計測における標準化を計画している。

 
   
  日本臨床検査標準協議会
お問い合わせ サイトマップ プライバシーポリシー 著作権について
Copyright 2006 Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards. All rights reserved.